慶應義塾大学通信教育過程の記録

文学部1類(哲学)を2020年3月に卒業!同大学社会学研究科博士課程合格を目指します。

今ここにない未来を信じる力

いつも年末年始には、取得単位などを振り返っていましたが、最近考えていることを書きます。


私は花が咲いていない時期の桜を見るのが好きです。


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今の季節は、越冬芽として開花を待っています。


桜は、花が散り、葉桜となった後、6〜7月頃には、早くも新たなつぼみをつけます。

夏には青々とした葉が生い茂り、秋は紅葉し、静かに葉を落とし、冬は木枯らしに晒されながら、


10ヶ月という長い時間をかけて花を咲かせます。


「桜は花が散れば、誰もわざわざ立ち止まって見ようとしない」


「でも、私はここに桜があると知っている。日々、絶え間なく成長して春には花を咲かせることを知っている」


そんなふうに、幼い頃から、花が咲いていない桜の木を見上げて、


数ヶ月後には訪れる満開の桜と、その下で微笑む人達を想像するのが好きでした。



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今、ここにない未来を信じる力。



辛い時、苦しい時、葉桜や枯れ葉が落ちる桜はいつも私の心を支えてくれました。


「必ず花は咲くんだよ!」と。


そんなことを繰り返すうちに、人に対しても、時々、見えない未来が見えるようになりました。


もちろん、人から花は咲かないですが、


絶対にこうなりたい!いやいやなるんだ!という強い情熱がモクモクと湯気のように立ち込めて、


その先にキラキラと輝く未来が見えるのです。



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こうなりたいという情熱と言えば、井上靖の「あすなろ物語」の一節が大好きです。



「あすは檜になろう、あすは檜になろうと
一生懸命考えている木よ。
でも、永久に檜にはなれないんだって!
それであすなろって言うのよ」

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私自身が、長い年月かけても、叶えられない夢を持ち続けていて、


時々、挫けそうになって、


翌檜や桜以外の人間の仲間が欲しいと思うから、


何らかのセンサーが感知して、見えない未来が見えるのかもしれません。



そういえば、友達は、翌檜や桜のような人が多いです。


「なろうとして、けして立ち止まらない」


2020年は、仕事や私生活で、還暦を過ぎてもなお、翌檜のように生きている方との出会いがありました。


コロナ禍においても海外を拠点とした会社で利益を出し続け、さらに10年後の夢や理想を語る経営者の方や、


自分の使命と真摯に向き合い、次世代に良い影響を与えたいと一生懸命に活動するフリーランスの方など。


時には、叱責されながらも、その情熱、懐の深さに触れて、自分の未熟さを痛感しました。


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年齢は関係ありません。


「今ここにない未来を信じて、明日はなろう」とする人は、強く人の心を惹きつけます。


私もそうなれるように、また、挫けずに、1年頑張ろうと思います。


近い未来に、具体的な話を胸を張って書けるように。